網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症とは

網膜静脈閉塞症とは、網膜の静脈が閉塞し、網膜組織に十分な酸素や栄養素が供給されなくなる病気です。この病気は、視力の低下、視野欠損につながる可能性があります。網膜静脈閉塞症は、一般に高齢者に多く見られます。

網膜は、目の奥に位置し、光を感知して視神経を通じて脳に情報を送る役割を持っています。網膜には、静脈と動脈があり、静脈は網膜から血液を回収して心臓に送り返す役割を持ちます。網膜静脈閉塞症は、網膜の静脈が閉塞することで、網膜内の血液が流れなくなり、網膜内の組織に必要な酸素や栄養素の供給が途絶えることが原因で起こります。

網膜静脈閉塞症の原因

網膜静脈閉塞症の原因は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 血栓:網膜静脈内に血栓ができ、それが網膜静脈の通り道を塞いでしまうことがあります。
  • 網膜静脈の圧迫:網膜静脈が外部から圧迫されることで、通り道が塞がれることがあります。
  • 網膜静脈の狭窄:網膜静脈の内壁に狭窄ができ、血流が滞ってしまうことがあります。

これらの原因のうち、血栓が最も多く見られます。血栓ができる原因としては、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、動脈硬化、脳梗塞などが挙げられます。また、網膜静脈の圧迫は、脳腫瘍や緑内障の手術、外傷などが原因となることがあります。網膜静脈の狭窄は、年齢とともに進行する動脈硬化が原因となることが多く、高血圧や糖尿病も関連していることが知られています。

網膜静脈閉塞症の症状

網膜静脈閉塞症の症状は、以下のようなものが挙げられます。

  • 視力の低下:網膜の一部が酸素不足になり、視力が低下することがあります。中心視野が失われることが多く、軽度のものでは読書などに影響を与える程度ですが、重度のものでは日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
  • 視野欠損:網膜の一部が酸素不足になることで、視野が欠損することがあります。網膜静脈閉塞症は、網膜の一部に限局した欠損が多いため、突然視野に見えない箇所ができることがあります。

網膜静脈閉塞症の治療

網膜静脈閉塞症の治療には、以下のようなものがあります。

抗血小板薬の使用

血栓が原因の場合には、血栓がさらに大きくなるのを防ぐために抗血小板薬が使用されることがあります。

視力回復のための治療

視力を回復するために、網膜内の新生血管を抑制する薬剤を投与する治療があります。

血管新生の抑制

網膜内に新生血管が形成された場合には、レーザー治療で、新生血管の発生を抑制することがあります。

原因疾患の治療

網膜静脈閉塞症の原因疾患がある場合には、原因疾患の治療を行うことがあります。例えば、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などの治療が必要となります。

手術

治療法に反応しなかった場合や重度の症状がある場合には、手術が必要となることがあります。

最後に

網膜静脈閉塞症は、治療が遅れると視力低下や失明の原因となるため、早期発見が重要です。定期的な眼科検診を受け、血圧や血糖値などの管理に努めることが、網膜静脈閉塞症の予防につながります。

また、網膜静脈閉塞症は、生活習慣病によるものが多いため、健康な生活を送ることが予防につながります。具体的には、タバコを控える、アルコールの飲み過ぎをしない、バランスの良い食事を心がける、適度な運動を行うなどの生活習慣改善が大切です。

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