逆まつげ(下眼瞼内反症)

逆まつげ(下眼瞼内反症)とは

逆まつげ(下眼瞼内反症)は、眼瞼の一部が内側に向かって反転してしまう状態を指します。下まぶたの内側にあるまつ毛が目に刺さったような感覚を生じることがあり、目やにや涙が出る、目の痛みや充血などの症状が起こることがあります。下眼瞼内反症は、先天性の睫毛内反症と、高齢者に多い眼瞼内反症の二つに大別されます。

先天性の睫毛内反症

先天性の睫毛内反症は、生まれつき下まぶたの組織が不完全であるか、弱いために下まぶたが内側に反転してしまう状態を指します。この症状は、通常、乳児期から幼児期にかけて発症します。先天性の睫毛内反症は、下まぶたの中にあるまつ毛が目に刺さったり、目の表面を傷つけたりすることがあります。また、目やにが多く、まぶたが腫れたり、赤くなったりすることもあります。

高齢者に多い眼瞼内反症

高齢者に多い眼瞼内反症は、下まぶたの組織が老化により弱くなることによって起こる症状です。高齢者に多い眼瞼内反症は、下まぶたの組織が弱くなることで、下まぶたが内側に反転してしまう状態を指します。高齢者に多い眼瞼内反症は、まつ毛が目に刺さったり、目の表面を傷つけたり、目やにが多く出たりすることがあります。

下眼瞼内反症の治療

下眼瞼内反症の治療は、軽度であれば、点眼治療や眼軟膏の塗布などで様子をみることもありますが、完治させるには手術が必要となります。手術は、下まぶたの組織を修正することで、まつ毛が内側に向かって反転しないようにする方法があります。手術は、一般的に局所麻酔下で行われます。

手術後の回復期間は、患者によって異なりますが、一般的には手術後1週間から10日ほどで症状が改善することが多いですが、完全に治癒するまでには1ヶ月から2ヶ月ほどかかる場合があります。手術後は、まぶたの腫れや痛み、赤みなどの症状が出ることがありますが、これらの症状は時間とともに改善されます。

また、手術後は、目の周りを清潔に保ち、薬剤を処方された通りに使用することが大切です。まつ毛を引っ張って抜くなどの行為は避け、まつ毛が目に刺さっている場合は、医師に相談して適切な処置を行うようにしましょう。

さらに、下眼瞼内反症は、早期発見と治療が重要です。症状が軽度である場合は、点眼薬の使用、眼帯の着用、まぶたのマッサージなどの保守的な治療が行われることがあります。しかし、症状が進行している場合は手術が必要になることがあります。早期に治療を開始することで、後遺症や合併症を防止することができます。

最後に

下眼瞼内反症は、まつ毛が内側に反転してしまう状態で、目の痛みや充血、目やにが多く出る、まぶたが腫れるなどの症状が現れます。治療には、手術がありますが、早期に治療を行うことが大切です。また、手術後の適切なケアを行い、医師の指示に従って治療を進めることが必要です。

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著者名 泉 直宏

日本眼科学会専門医

ICL(眼内コンタクトレンズ)認定医

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